19.「ハイコンセプト」 ダニエル・ピンク 三笠書房

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ダニエル・ピンク 大前 研一

三笠書房 2006-05-08
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  • 「答えのない時代」のいま、世の中に出たら、知識を持っていることよりも、多くの人の意見を聞いて自分の考えをまとめる能力、あるいは壁にぶつかったら、それを突破するアイデアと勇気を持った人のほうが貴重なのである。すなわち、これからは、おおいに「カンニングしろ」という時代なのだ。
  • 「ハイ・コンセプト」とは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力などだ。
  • 「ハイ・タッチ」は他人と共感する能力、人間関係の機敏を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力などである。
  • 今の仕事をこのまま続けていいか―3つのチェックポイント
    • 他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか
    • コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか
    • 自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか
  • これから求められる「六つの感性」とは?
    • 機能だけでなく「デザイン」…見た目の美しさ、感情に訴える
    • 議論よりは「物語」
    • 個別よりも「全体の調和」
    • 論理ではなく「共感」
    • まじめだけでなく「遊び心」
    • モノよりも「生きがい」
  • カリム・ラシッドの生活とデザインに関する指針
    • 「やれたはずなんだけど」とは決して言わない。それは、やらなかったことだからだ
    • モノではなく、「経験すること」に金を使え
    • 「普通」というのはいいことではない
    • 今この場が、私たちにとってすべてである
  • 「理性的な能力は物語に依存している。物語は将来を見通し、予測し、計画を立て、説明するために最も大切な方法である。……私たちの経験や知識、思考の大部分は物語という形で構成されているのだ」 認知科学者マーク・ターナー
  • 事実というのは、誰にでも瞬時にアクセスできるようになると、一つひとつの事実の価値は低くなってしまうものなのだ。そこで、それらの事実を「文脈」に取り入れ、「感情的インパクト」を相手に伝える能力がますます重要になってくるのだ。
  • 物語は「ハイ・コンセプト」である。なぜなら、ある物事を別の文脈の中で説明することで、より明確にそのことを理解させてくれるからだ。また、必ず感情的な効果が盛り込まれているので、物語は「ハイ・タッチ」なのである。
  • 「物語は新たな将来的展望や、新しい世界をイメージさせることで、分析的思考を保管するものである。抽象的な分析は、厳選された物語を通して眺めることでわかりやすくなる」 スティーブ・デニング
  • 「一般人と卓越したリーダーとを分かつものは、一つの認知力でしかなかった。それは、パターン認識力だ。全体像をとらえて考えることで、周囲をとりまく多種多様の情報から意義のあるトレンドを選び出し、将来に向けての戦略的思考ができるのである」 ダニエル・ゴールマン
  • 「もうこの世には何も残っていない人間でも、愛する人に思いを馳せることで、ほんの一瞬ではあるが至福を味わうことができる」 ビクトール・フランクル 『夜と霧』より
  • 「科学と仏教とはとてもよく似ています。なぜなら、どちらもリアリティの本質を探ろうとしているからです。そして、どちらも、人類の苦しみを軽減することを目標としているのです」 ダライ・ラマ
  • 精神性により、私たちの人生が向上することは明らかなのだから、これを真剣に考えるべきなのだ。私たちの多くが物質的ニーズを満たされている(時には過剰に満たされている)時代だからこそ、いっそう精神性の価値が高まっているのかもしれない。
  • 「一日一回の感謝」は感謝の思いを日常生活に織り込むための方法だ。