36.【リスクとリターンを比較する】『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』 勝間和代 光文社新書


お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)勝間 和代

光文社 2007-11-16
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目次


はじめに
第1章 金融リテラシーの必要性
第2章 金融商品別の視点
第3章 実践
第4章 金融を通じた社会責任の遂行
おわりに



参考になった箇所

  • 金融の知識を上手に活用していけば、労働からの収入と金融からの収入のバランスをうまくとることができ、現在、社会人の誰もが課題と感じているワークライフバランスをもっと上手に整えることができるのです。
  • 安全資産を多く持っているということは、家計に占める資産のほとんどを労働による収入に頼らなければならないことを意味します。ここに、日本と他国の差があります。
  • 金融リテラシーを身につけると「投資」(リスク)と「賭け」(危険)を分類できるようになります。逆に、正しい知識もないままリスク資産にやみくもに投資することは、文字通り「危険」を増やすだけです。
  • リスクの計量をうまく行い、リスク・リターンのバランスから自分の資産をリターンが得られやすいところに上手に配分した人ほど豊かになる、というしくみが生まれていったのです。
  • 金融商品選びで大事なことは、自分がどういうリスクを取ることで、どれくらいのリターンが期待できるのかを、両にらみすることなのです。
  • 金利については「期間構造」と呼ばれるしくみがあります。これは、預け入れる期間が長くなるほど金利が高くなる構造のことです。
  • 円高というのは相対的に円の価値が上がること、円安というのは相対的にドルの価値が上がること、と区別するとより分かりやすいかもしれません。
  • 円高、すなわち円の価値が上がれば、同じ円で輸入産業はよりたくさんのものを仕入れられ、円安、すなわち円の価値が下がれば、同じ品物で同じドルを稼いだとしても、そのドルをより高い金額で、円に換えられるので、輸出産業が有利になるからです。
  • 円高になればトヨタのような日本を代表する企業の利益が下がるため、投資家は日本全体の景気が悪くなると考え、株式市場も下落するのです。
  • 金融でしっかり儲ける方法の基本5原則
    • 分散投資分散投資分散投資
    • 年間リターンの目安として、10%はものすごく高い、5%で上出来
    • タダ飯はない
    • 投資にはコストと時間が必要
    • 管理できるのはリスクのみ、リターンは管理できない
  • リスク資産に投資する予算とゴールを決める
    • ゴール1 生活資金の最低6ヶ月〜2年分を貯める―20代後半から30代後半まで
    • ゴール2 労働収入の10%から30%を金融収入で積み上げる―40代前半以降
  • 統計的に見れば、ある時期によいリターンを生んだ資産は翌年のリターンが悪くなり、悪いリターンを生んだ資産は次の時期にはよくなる可能性が高いことです。そのため、もし海外株式がすごく値上がりをし、それによって資産の35%を占めたとき、これを25%相当になるまでその比率を落として売却し、その売却した金額を、今度は運用成績の悪かった資産、例えば日本株式などに割り当てるのです。

読んで感じたこと

金融商品選びで大事なことは、自分がどういうリスクを取ることで、どれくらいのリターンが期待できるのかを、両にらみすることなのです。


この一文がこの本の肝だ。
金融商品選び」という言葉を「人生」と置き換えてもいいと思う。

勝間:会計士を選んだのは、リスクリターンが一番良かったからです。リターンはそこそこなんだけど、他の士資格よりは勉強時間が少なくて済んだし、監査だけでなくても色々な仕事がやれるのも潰しがきくなあ、と思いました。


上記の発言にもあるように、勝間氏は人生におけるリスクとそれに対するリターンの関係を考えながら、取捨選択し続けていったんだろう。その積み重ねが今の成功につながっているんだろう。


いかにリスクコントロールして自分のお金を増やしていくのか。この疑問についてわかりやすく実践的に書いてある本。自分の資産について現実的に考えていないすべての人におすすめ。

ただ、それだけではない。

人生においてどうリスクを取っていくのか。そういう疑問について考えるにもいい本だと思う。

参考文献