26.『ウェブ時代をゆく』 梅田望夫 ちくま新書


ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
梅田 望夫

筑摩書房 2007-11-06
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ウェブ時代において「いかに働き、いかに学ぶか」が書いてある本。

  • フロンティアを前にしたときの精神的な構え
    • 大変化の時代を恐れるのでなく、面白い時代だと楽しむ心を持つこと
    • ネットを「個」の可能性を押し広げ「個」を開放する環境としてとらえること
    • 所属するコミュニティに埋没せず、「個」としての精神的自立を大切にする
    • 未来は創造するもの
    • 社会に問題があるのは誰かのせいだと考えず、「自助の精神」で事に処すること
    • より良く生きることへの意欲を持ち何らかの分野で秀でた人が、「パブリックな意識」を強く持ってそこに関与していくこと
  • 「ウチの子供たちを見ていても、具体的なモノを買いたいという要求は最近あまりない。 (中略) じゃあ何を面白がっているかというと、何かをクリエイトすることかな、と思う。 (中略) コンピューター、ソフトウェア、ネットなどの力で、これまでよりも圧倒的に多くの「普通」の人たちも、クリエーションの楽しさに触れることができるようになった。 (中略) これまで自分一人の力では手の届かなかったものに、なんらか力を及ぼせる、その手ごたえがある。彼らはそれに熱狂しているのだ。

豊かな時代の究極の楽しみは「クリエイトすること」、それがWeb2.0―Tech Mom from Silicon Valleyより

  • 会社は自分が「好きなこと」を「やりたいように続けていく」ための枠組みであって、それ以上でもそれ以下でもない。「こうすれば成長できるかもしれない機会」という可能性は、スモールビジネス・オーナーにとってそれほど重要な要素ではないのである。
  • 同じ「好き」といっても、ただただ受容的にネットと付き合い、だらだらと受身で何かをし続けるだけでは、そういう変化は人生に訪れない。 (中略) 主役たちはおそろしく勤勉である。しかもそれが誰かに「強いられた勤勉」ではなく、「内からの促しに従う勤勉」だから強いのだ。
  • シリコンバレーで学んだ三つの言葉
    • 「Only the Paranoid Survive」…「病的なまでに心配性な人だけが生き残る」それくらいの緊張感で事に処する者だけが、厳しい競争を生き残る
    • 「Entreqreneurship」…「自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない」「勝った者」は「勝つまでやった者」なのである
    • 「Vantage point」…「見晴らしのいい場所」
  • 「好きということのすさまじさ」の度合いが競争力の源泉となる
  • 「The only way to do great work is to love what you do. 」(偉大な仕事をする唯一の方法はあなたがすることを愛することだ)―スティーブ・ジョブス
  • 自らのコモディティ化に対してだけは「Paranoid」であるべきで、その予感があったら必ず新しい要素を自分の専門性やスキルに加えていくこと
  • 積極的に人間関係を構築し、人との出会いを大切にすること
  • たった一人の人物をロールモデルとして選び盲信するのではなく、人生のありとあらゆる局面に関するたくさんの情報から、自分と波長の合うロールモデルを丁寧に収集するのである。
  • いまを生きるための水を飲むようにロールモデルを探す読書は、たくさんの本の中の膨大な情報をブラウジングして、その時点で自分が渇望している信号を探すために行う
  • 行動に結び付けてこそのロールモデル思考法
    • 信号をキャッチできたら「時間の使い方の優先順位」を変えて、「勝負だ!」とばかりに好きなことに打ち込むこと
    • 「時間の使い方の優先順位」を変えるにはまず「やめることを先に決める」こと。それも自分にとってかなり重要な何かを「やめること」が大切だ
    • 長期的な「なりたい自分」と短期的な「なれる自分」を意識して、現実的であること。短期的な「なれる自分」を積み重ねながら、長期的に「なりたい自分」を目指す。
  • ウェブリテラシーとは?
    • ネットの世界がどういう仕組みで動いているのかの原理は相当詳しく徹底的に理解している。
    • ウェブで何かを表現したいと思ったらすぐにそれができるくらいまでのサイト構築能力を身につけている(ブログ・サービスを使って文を書くとかそういうことでは無くて)。
    • 「ウェブ上の分身に金を稼がせてみよう」みたいな話を聞けば、手をさっさと動かして底に新しい技術を入れ込んだりしながらサイトを作って実験が出来る。
    • 広告収入の正確な流れも含め「バーチャル経済圏」がどういう仕組みで動いているかの深い理解がある。
    • ウェブ上にあふれる新しい技術についての解説を読んで独学できるレベルまで、ITやウェブに対する理解とプログラミング能力を持つ。
  • 「志」さえ持てば、ウェブは「人生のインフラ」として「個」を大いに助けてくれる。