59.『シュガー社員が会社を溶かす』 田北百樹子 ブックマン社
シュガー社員が会社を溶かす | |
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目次
参考になった箇所
- 自分に甘く、自立心に乏しい社会人のことを、(中略)私は<シュガー社員>と読んでいます。
- <シュガー社員>は、詫びる気持ちや感謝の気持ちよりも、自分の気持ちよさが一番大切なのです。
- 冷静に考えればたいしたことのないトラブルなのに、よく考えもしないで、『俺には無理』と結論づけちゃう。そして、壁を乗り越えずに、抜け穴を一生懸命掘って、自分だけ逃げようとするんです。
- 「やる気」は一応皆さん持ってはいるのです。大切なのは、「やる気」の「継続力」、継続させるための能力や忍耐力、体力なのではないでしょうか。
感想
読む人の世代によって感想がだいぶ変わりそうな本です。
若手社員に手を焼いている中間管理職にとっては非常に共感できるでしょう。
- 一度残業させると、親から抗議の電話がかかってくる社員
- やる気がない態度を指摘されると、「プチうつ」と言って逃れようとする社員
- 「多分大丈夫」とてきとうな判断をし、結果が全然大丈夫じゃない社員
- 叱られると、「逆ギレっすか!?」と逆ギレする社員
読んでいるだけで腹が立つ事例がどんどん出てきます。
同じ思いをしている人がたくさんいることを知って、
少しは溜飲を下げた中間管理職の方々も多いでしょう。
しかし、シュガー社員の世代(団塊ジュニアより10歳以上下くらい)の
社員から見ると、全面的には共感できないと思います。
会社や上司は理不尽で、個人の権利よりも
社内だけの価値観が優先されることはしばしばです。
サービス残業や休日出勤は当たり前、
営業職なら自腹を切って成績を伸ばすこともあるでしょう。
昔はそれでも社員はついてきたかもしれませんが、
子供の頃から「自分」を大切にするよう教えられ、
なおかつウェブなどで簡単に自己の権利を守るための情報を得られる
シュガー社員世代からすれば、納得できるわけがありません。
どっちかが一方的に悪いわけではありません。
会社を大切にする価値観と自分を大切にする価値観。
両者のすり合わせができていないだけなんです。
この本を読めば、ある程度それができるかもしれません。
シュガー社員世代を管理する方は、
その対処法(および面接の時点で見極める方法)を学べ、
シュガー社員世代は自分がシュガー社員かどうかチェックできますし、
会社が求める価値観を学べます。