60.『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。』 戸田 智弘 ディスカヴァー・トゥエンティワン


働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。
働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。戸田 智弘

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-07-12
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目次

  • はじめに
  • 「好き」を仕事にする
  • 「好き」と相性
  • 「やりたいこと」って何だ?
  • 20代はいろいろ試してみる
  • 偶然を創りだす
  • 「やりたくないこと」を考える
  • 会社を辞めたい
  • 急がば、回れ
  • 夢をかなえる
  • 才能って何?
  • 日本人の生き方
  • 何のために働くのか?
  • 人生の標準モデルが消えた
  • 21世紀の仕事論

参考になった箇所

  • たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、本当に生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。 山本有三路傍の石』(新潮文庫
  • 「好き」のレベルが「娯楽」程度であるのなら、好きなことを仕事にする云々なんてことは言わないほうがいい。「好き」のレベルが「趣味」程度でもまだまだ早い。「趣味」を「特技」にしようと必死になっている人であれば遠慮がちにそう言ってもいい。
  • 「苦労も多い。めんどくさい。だけど、自分はこれをやらずにはいられない」 こう思えたとき、そこには「本当に好き」があるような気がする。
  • 「好き」を仕事にすることに焦ってはいけない。無理をしてはいけない。しかし、長い間、それをあきらめずにがんばっていれば、いつかはそれを部分的にでも実現できるチャンスがめぐってくる。
  • あこがれている職業があれば、そういう職業に就いている人を探し出して話を聴いてみる。(中略)ポイントは、人がしている仕事を見るのではなく、仕事をしている人を見ることだ。
  • 100%準備をするなんてことはそもそも無理なことである。そんなことをしようとしたら、準備だけで人生が終わってしまう。
  • 変えられることは変える努力をしましょう。変えられないことはそのまま受け入れましょう。起きてしまったことを嘆くよりも、これからできることを皆で一緒に考えましょう。 加藤諦三ニッポン放送テレフォン人生相談」より)
  • 「ここではないどこかで、いつか始まるであろう物語」を夢見るのではなく、「今、ここで、一刻一秒、生身の自分が生きている物語」に目を向けよう。
  • 定型的な仕事をする場合は、その仕事を完璧にこなさなければならない。完璧にできない人に限って「こんな決まりきった仕事なんてしたくない」と文句を言う。この95%の仕事を完璧にこなせた人間だけが、その次の5%の仕事に進める。
  • 空想的な願望と、将来実現したい願いを分けるポイント
    • 第一に、夢(将来あるべき自分)と現在の自分のギャップを自覚しているか?
    • 第二に、そのギャップを埋めていく戦略や戦術をぼんやりとでもイメージできているか?
    • 第三に、夢に向かって懸命に努力し、一歩ずつでもその階段を上っているか?
  • 物事を成就させ成功させる力は何か、その力の中にはむろん能力があろう。だが能力は、必要な条件ではあってもじゅうぶんな条件ではない。じゅうぶんな条件とは、その能力に、起動力・粘着力・浸透力・持続力などを与える力である。そのような諸力を、私は執念とよびたい。 土光敏夫『経営の行動指針」(産能大学出版部)
  • 幸福になる秘訣は、快楽を得ようとひたすら努力することではなく、努力そのもののうちに快楽を見出すことである。 アンドレ・ジイド(フランスの小説家)
  • 何かが上達し、うまくなるという領域に入るためには、ピアノでも何でも最低1万時間は取り組む必要があると言われてます。 日垣隆『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書
  • どうせ苦労するのなら、好きなことを一生懸命やったほうがいい。
  • 真剣に取り組めば取り組むほど、その分だけ手応えを感じられる。(中略)この手応えこそが、面白いという実感の幹だ。
  • 気がついてはいないけど、ほとんどの人は仕事を面白がっている。本当は、遊びよりも仕事のほうが楽しいはずだ。なぜかといえば、真剣さの度合いが違うからだ。真剣さが違えば手応えも違ってくる。仕事には苦労も多いけど、苦労ゆえの面白さがあるのだ。
  • 悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する。成り行きにまかせる人間はみんなふさぎこんでいるものだ。 アラン『幸福論』(集英社文庫

感想


ガソリンワードてんこ盛りの本です。


「ガソリンワード」とは読むだけでモチベーションを上げてくれ、前向きな気持ちにさせてくれる言葉です。この本読みながら思いつきました。


この本は古今東西99の名言を集め、それを紹介しながら仕事論を展開していきます。ですから、てんこ盛りは当然といえば当然です。


個人的に著者の仕事論を一番簡潔に述べたのがこの名言だと思います。


人は働きながら、その人となってゆく。人格を形成するといっては大げさだけれど、その人がどんな仕事をして働いてきたかと、その人がどんな人であるのかを、切り離して考えることはできない。


小関智弘『仕事が人をつくる』(岩波新書


「働きながら、その人となってゆく」
だから、楽しく働くほうがいいし、
一生懸命働くほうがいいし、
自分から積極的に関わって働くほうがいいし、
好きなことを仕事にしたほうがいい。


言葉にすると当たり前のようなことだし、
今まで読んできた本にも同じようなことが書かれていました。
しかし、今まで読んできた中で一番しっくりきました。
それは、様々な名言を引用しながらも、著者の視線の高さが私に近いからだと思います。


これから仕事をするにあたっての指針となりうる本です。
学生の方や、社会人でも仕事に対して迷いがある方にはおすすめです。


参考ブログ

しかしながら、多くのスポーツや芸術などで同様なように、基礎ができていないところで飛躍もできないんですよね。基礎ができていないところで飛躍すると、短期的には目新しいかもしれないけれど、ぜったいに弱さやボロさが露呈する。音楽であっても、才能にばかり走りすぎると薄っぺらになる。ハッタリの才能に甘んじることなく、いろんなことを吸収し、人生経験を積むことが間接的によい仕事を生み出すことにもなります。したがって、そこには時間がかかる。

こちらにもガソリンワードがありました。