68.『人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白』 美達 大和  新潮社

人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白

新潮社 2009-01
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目次


第1章 二つの殺人事件を起こすまで(在日韓国人の父、純和風の母年収は億単位 ほか)
第2章 長期刑務所の生活(受刑生活のスタート
「反省」が分からない受刑者たち ほか)
第3章 殺人犯の肖像(上)―堅気の受刑者たち(堅気とヤクザの違い
気弱な目をした強盗殺人犯 ほか)
第4章 殺人犯の肖像(下)―ヤクザ受刑者たち(その道のスジを通すヤクザ
被害者から強烈な印象を受けたヤクザ ほか)
第5章 一生を刑務所で暮らすと決めた(もう刑務所を出なくていい…
人生で初めて「幸福」を感じる)


参考になったところ

  • 受刑者の特徴
    • 他人への思いやり、共感性に欠ける
    • 成功体験がない・自己肯定感が乏しい
    • 勤勉性や持続性がない
    • 夢・目標・将来に対する展望がない
    • 酒・ギャンブル・性欲など短期的な欲に流されやすい
    • 自己の権利や利益に対する異常なほどの執着心
    • 人の話を聞かない
    • 怠惰
    • 社会に待つ人がいない
    • 僻みっぽく嫉妬心が強い

感想

二回殺人を犯した現役懲役囚の筆者が書いた、
LB級刑務所(長期の懲役で罪が重い犯罪者が入る刑務所)と
受刑者の実態を描いた手記です。


読み進めると、「逆・成功本」と呼びたいほどに
社会で失敗するためのケースがどんどん出てきます。


では、どういう人が失敗するのか?


簡単に言うと、人生に希望を持てず、愛する人も、
世間に受け入れてくれる人もいない、
それゆえに自分本位にならざるを得ない孤独な人。


単純に読み物としても面白いですが、
人生の反面教師たちのケーススタディとして読んでみては。
自分の生き方がずれてないか確認できると思います。