83.『魯山人の美食―食の天才の献立』 山田 和 平凡社


魯山人の美食―食の天才の献立 (平凡社新書)魯山人の美食―食の天才の献立 (平凡社新書)

平凡社 2008-07-15
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目次


はじめに──トゥール・ダルジャンでの伝説

第一部 美食の哲学
一、持ち味を味わう
二、美味いものを食べるのではなく、美味く食べる
三、料理は真心と聡明さ

第二部 魯山人を食べる
第一章 雑炊と茶漬──「贅沢な味」の追究
▼納豆雑炊/美食の出発点/魯山人流レシピとは
▼焼き魚雑炊/出汁のとり方/鰹節・亀節の好み/お茶漬の心掛け
▼天ぷら茶漬/古い天ぷらの焼き方/茶漬のお茶は何がよいのか/大根おろしと大根のおろし方
▼まぐろ茶漬/▼鮭(鱒)茶漬/▼海老茶漬/▼甘海老の味噌漬

第二章 山葵と鮑──おろし方が味を決める
山葵の選び方/山葵のおろし方
▼山葵の葉・せんな/▼山葵の軸
▼鮑のとろろ汁/▼鮑の水貝/▼鮑の宿借り作り

第三章 すき焼きと湯豆腐──鍋ものの革命
▼すき焼き(牛すき、鴨すき)/すき焼きの肉の焼き方/魯山人式鴨すき焼き/酒(日本酒、ビール)の飲み方
▼楽しみ鍋(寄せ鍋)/鍋料理の盛り方/生きた食器に盛れ
▼湯豆腐/醤油の使い方/豆腐の選び方、食べ方

第四章 季節の味覚──時を逃さぬ一品
▼赤貝と田芹の煮浸し/当意即妙の一品/粉山椒の選び方
▼田芹のよごし/▼芹鍋と水菜(京菜)鍋/▼筍の直炊き
▼味噌汁/▼昆布とろの吸物/とろろ(おばろ)昆布の美味しさ
▼白菜のスープ煮/▼蓴菜(じゅんさい)椀
▼鯛の刺身/▼海鮮佳肴盛/▼星鰈の洗い・鱸の洗い・鮎の洗いなど/▼琥珀揚げ
▼茄子の胡麻醤油餡かけ/▼茄子の唐揚げ/▼焼茄子

おわりに──料理は悟ること
料理を芸術にする/美食家らしい死/魯山人の求めたところを求めよ


参考になったところ

  • 魯山人は「美味いものを食べた」のではなく、「美味く食べる人」であった
  • 自分は満足しなくて、人のためにだけ生きているという人があれば、それは偽善者だと思う。偽善者とは、人を、社会をあざむく人のことではなく、自分自身をあざむく人のことだ。画家は人を感心さす絵をかこうとするな、先ず自分が酔える絵を描くべし。自分さえ酔うことの出来ない絵に、誰が酔うものか

(「誰がために」『独歩 魯山人芸術論集』より)


感想


書、陶芸、篆刻などで活躍し、美食家としても有名な北大路魯山人
海原雄山のモデルとしても有名ですね)の美学を書いた本。


Amazonでの評価は低いですが、
魯山人のことを初めて知るには読みやすくていい本だと思います。