92.『国家の罠』 佐藤優 新潮社


国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

新潮社 2007-10
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目次


序章 「わが家」にて
第1章 逮捕前夜
第2章 田中眞紀子鈴木宗男の闘い
第3章 作られた疑惑
第4章 「国策捜査」開始
第5章 「時代のけじめ」としての「国策捜査
第6章 獄中から保釈、そして裁判闘争へ


参考になったところ

感想


2002年のいわゆる「鈴木宗男」事件。
官房副長官や北海道・沖縄開発庁長官などを務めた現役議員が収賄罪で逮捕される。
日本の腐敗政治の象徴のような扱いを受け、
どのテレビや新聞、週刊誌でも極悪人として取り上げられていました。
当時てきとうな大学生だったぼくでも、その印象は強く残っています。


しかし、その一連の騒動は日本政治・外交・経済の転換を
行うためにでっち上げられ、転換前の日本の象徴として鈴木氏は逮捕された。
と、いうのがこの本で佐藤優氏が主張している内容です。


とにかく読み応えのある本で、
佐藤氏・鈴木氏のロシア等での外交、
田中真紀子との衝突、
外務省との軋轢、
逮捕後の検察との対決、
などのエピソードが満載です。


また、北方領土問題やロシアを中心とした国際問題についても
触れられていて、勉強になりました。


それ以上に衝撃的だったのは、
マスコミや検察が確信犯的に事件をでっち上げているという事実でした。
具体的な内容は本文で確認していただきたいのですが、
世論を操作するのがこれほど簡単だとは思いませんでした。


メディアを盲目的に信じてはいけない。
そのことに気づくためだけでも、この本を読む価値はあります。