100.『ぼくらの頭脳の鍛え方』 立花隆・佐藤優 文藝春秋


ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

文藝春秋 2009-10-17
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目次

第1章 読書が人類の脳を発達させた―狂気の思想、神は存在するか、禅の講話
ブックリスト1 知的欲望に満ちた社会人へ―書斎の本棚から二百冊
第2章 二十世紀とは何だったのか―戦争論アメリカの無知、スターリンの粛清
第3章 ニセものに騙されないために―小沢一郎、官僚は無能だ、ヒトゲノム
第4章 真の教養は解毒剤になる―マルクス、貧困とロスジェネ、勝間和代
第5章 知の全体像をつかむには―東大生・立花隆、神学生・佐藤優、実践読書術十四カ条
ブックリスト2 すぐ役に立つ、すぐ買える―文庫&新書二百冊


参考になったところ

  • 戦争では、民族性も国民性も科学技術も文明も、すべてが凝縮されて表れます。戦争について知ることは現代人にとっても必須の教養でしょう(立花)
  • ベトナム戦争も、湾岸戦争も、アフガン戦争も、イラン戦争も、インディアン征伐と同じで、未開野蛮な民に対する啓蒙活動のつもり(立花)
  • ゲオポリティクス(地政学)が国際情勢を読み解く鍵だが、日本人はそれが欠けている
  • 週刊誌の俗悪な記事をたくさん読んでいる人のほうが知恵がつく(立花)
  • (勝間は)普通に生きていると商品になってしまうから、スペシャリストになれ。つまり、代替が可能な単純労働者ではなく、『資本論』が説くところの熟練労働者になれ、と言っている(佐藤)
  • 古典には、知の共通基盤としての役割がある(立花)
  • 物語だからいいかげんなところがあるのは当然なのに、人々が物語を唯一の真実と信じてしまうようになると、社会も国家もとんでもない方向に行ってしまうと思うんですね(佐藤)

感想


「知識の教養を身につけたいけど、どうしたらいいかわからない」
「教養なんて身につけて、意味があるの」
と思っているあなたのための本です。


佐藤優立花隆という新旧の知識お化けがその問いに答えてくれます。


二人の対談もおもしろいですが、
二人のすすめるブックリストがさらにおもしろい。
読んでない本、読んでみたい本がこんなにまだたくさんあることに気づき、
果てしない知識の宇宙の広大さを垣間見てうちのめされます。


それでも、知らないことを知ることは楽しすぎるのでやめられません。