138.『人間の器量』 福田 和也 新潮社


人間の器量 (新潮新書)人間の器量 (新潮新書)
福田 和也

新潮社 2009-11
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目次

序章 器量を問う事
 人物観の平板さは、自らを縛りかねない
 人を見る事は、自分の器を測る事
 器は何歳になっても大きくできる

第一章 なぜ日本人はかくも小粒になったのか
 戦後、わが国は人物を育てようとしてきたか
 戦死に対する覚悟がいらなくなった
 貧困と病苦にたいする怯えがなくなった

第二章 先達の器量に学ぶ
 西郷隆盛の無私
 横井小楠の豹変
 伊藤博文の周到
 原敬の反骨
 松永安左衛門の強欲
 山本周五郎の背水
 田中角栄の人知

第三章 器量を大きくする五つの道
 一、修行をする
 二、山っ気を持つ
 三、ゆっくり進む
 四、何ももたない
 五、身を捧げる

終章 今の時代、なぜ器量が必要なのか

器量人十傑(明治、大正・昭和戦前、戦後から今日まで)

あとがき


メモ

  • 人というのは、複雑で多面的な存在で、そうそう簡単に切り捨てられるものではない、という当たり前のことが、今の世間から完全に抜け落ちているのです
  • 高い、ピンのワインを飲まないと本質が理解できないが、安い酒を楽しまないと人生はつまらない
  • 知識と技量は身につくけれど教養と人格はどうでもいい、というのが、戦後の高等教育ということになるでしょう
  • 器が大きいと云われるほどの人物は生涯かけて自分を新たな場所に立たせ続けてきたのではないでしょうか