38.【資産運用をする全ての人へ】『大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」』 北村慶 PHP研究所
大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」 | |
北村 慶 PHP研究所 2008-01-12 売り上げランキング : 29828 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
目次
序章 はじめに
第1章 あなたは年金をいくらもらえるのか?
第2章 あなたの年金はこうして運用されている
第3章 世界の年金基金の最先端運用法はこれだ!
第4章 "私的年金ファンド"を作ろう
第5章 こうやって運用すれば年金不安も怖くない
第6章 明るい未来のために
参考になった箇所
- 老後の必要資金8500万円(生活費月24万円と仮定)との比較で言えば、45歳の世代で約2000万円、35歳の世代で約2500万円、資金が不足することになるのです。この差額を、筆者は、『年金ギャップ』と呼んでいます。
→ちなみに、この仮定は45歳世代で2700万円、35歳世代で2200万円の定年時純資産があるという前提がある。つまり、純資産がそれ以下の場合は年金ギャップはさらに広がる。また、ゆとりのある老後を送るためには、約1億3200万円の資金が必要とされている(生活費月38万円と仮定)。
- 7.25%の複利で運用するとどうなるでしょうか?45歳のあなたは年間44万円(月3万7000円弱)、35歳のあなたは年間24万円(月2万円)の積み立てで目標に届くのです。
- 好景気で高金利のときは株価が上がりますが、債権の価格は下落する傾向が見られます。このように、株式と債権を組み合わせて持つことによって、全体の値動きを安定させ、大きな値下がりの影響を受けにくくすることができます。
- 年金性資金のような(超)長期投資においては、(中略)アセット・ロケーション(資産配分)がパフォーマンス(運用成績)のほとんどを決める
- ポートフォリオの組み方には、黄金律とも言える至高の手法があります。それは、「値動きが相互に関係しないアセット(資産)クラスを組み合わせる」ということです。
- 互いに相関のない資産を組み合わせると「収益は足し算で増えていくが、ボラティリティは(二乗和の)平方根でしか増加しない」ため、1つの投資だけでは実現不可能な「リスクを抑えた"負けない"投資」が可能になる。
20代半ば | 30代半ば | 50代半ば | 60代後半以降 | |
---|---|---|---|---|
現金 | 5% | 5% | 5% | 10% |
債券 | 20% | 30% | 37.5% | 50% |
株式 | 65% | 55% | 45% | 25% |
不動産 | 10% | 10% | 12.5% | 15% |
リスク資産計 | 75% | 65% | 57.5% | 40% |
- 自宅をお持ちの方は、ご自身のポートフォリオにおいて、これら株式関連の資産の組み入れが極端に少ないことを自覚し、「国内株式」と「外国株式」に特化した運用を行えば良いことになるのです。
- 株式の投資においては、市場全体を買うこと、そしてそれを超長期に継続することで、私たちも経済発展の恩恵を投資の儲け(リターン)という形で手にすることができるのです。
→ETFのほうが信託報酬が少ないので、その分リターンが大きくなるから。
感想
日本の公的年金は債券中心の安定しているがリターンの少ない運用なので、私的年金ではインデックス運用を中心にした株式投資をしてリターンを得れば、年金ギャップを埋めることができる。
この本で述べられた資産運用法をかいつまんで言うと以上のようになる。公的年金を自分のポートフォリオの一部とする考え方は思いもよらなかったので、個人的には斬新なアイデアだった。ただ、公的年金も超長期の投資の一つだと考えると、すんなり受け入れられた。
アイデアもいいが、方法も具体的なので、非常に実践的。日本国内での資産運用を考える全ての人にお勧めしたい本。あと何冊か読めば、長期の運用はきちんと実行できると思う。
ただ、コモディティに関してまったく触れられていなかったので、そこが物足りなかった。例えば株や債券と逆の値動きをするとされている金とか。実際に運用するときはインデックスファンド+金の積み立てで行こうかと思う。
ちなみに、自分の積み立て金額も計算してみた。私は現在25歳なので、年金ギャップを埋めるために3000万円が必要と仮定する。もし年利7.25%で複利運用できると、月々必要な積み立て金額は15,965円ですむ(いろいろ複利計算シート を使用して計算)。控えめに5%の年利で計算しても、月々26,361円ですむ。
複利恐るべし。