62.『勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan』 勝間和代 毎日新聞社

勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan
勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan勝間 和代

毎日新聞社 2008-09-27
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目次

第1章 若い人が暗い国


悲観と楽観


I職場の憂鬱
「勉強法ブーム」が示すもの
かなり「やばい」日本のビジネス力
効率のよさと競争力のバランス
上司世代の問題


II3つの変化
1情報の革命
2「クリエイティブ」の必要性
3フリーランス志向の高まり


III若者たちを明るくしよう


第2章 西原理恵子さんと、最強ワーキングマザー対談


女の人は働いたほうがいい
スカートは、はかない
日本は子どもに冷たい国
「手伝う」って言うな
ひどい会社から逃げよう
私立ならどこでもいい病
おばあちゃんは絶対必要
社員の未婚、社長さんも悩んでます
手に職、大事ですよね
日本は貧困にも冷たい
世界の貧困、何とかなるかも
勉強法、ドーパミンが出るように
もっともっと、子どもにお金を
西原理恵子「勝間さんとわたくし」


第3章 女性が産める、働ける国へ


無関心なマジョリティ
空気の差別
女性を「こき使う」戦略
少子化対策をいかに仕組み化するか
旧モデルと新モデルのはざまで
家事の負担に関するヒント
家庭をもとうよ
私たちのミッション


第4章 雨宮処凛さんと、脱・ワーキングプア対談


違う世界の話
ノルマで命が奪われる
絶対だれかがキレ始める
中高年の割を食っている
10年後の爆発
現実に向き合えるか
勝てない若者
非正規の均等待遇
国力が単純に下がっている
貧困という絶望
まずは知らしめること


第5章 NYで考えたポスト資本主義


インセンティブ体系の不全
NYの最新風景
グローバリゼーションの行き詰まり
資本家の細分化
社会起業家の挑戦
途上国支援の試行錯誤
私自身の試み


勝間和代の日本を変えよう 15の提言



参考になった箇所

  • 自分でできる範囲の善行は、たぶん、もっともコストの安い幸福感の獲得手段です。
  • 若年層は将来に悲観的で、高齢者層は楽観的です。
  • ビジネスでいうクリエイティビティとは、従来の問題設定を疑うこと、問題をみずから設定して解を見つける力、と定義できるでしょう。これはコンピュータでは代替できません。
  • リスクをとって変化をしたほうがかえって安全な時代
  • 私が、若者の危機感に共感しつつも、日本の将来に希望をもつのは、日本の「人」は、一人一人は真摯でまじめだからです。
  • しない苦労より、した苦労のほうが絶対いい。しんどいはやっぱり楽しいですよ(西原)
  • 私は、結婚した相手が自分を幸せにしてくれるなんて大間違いだと教育しています(勝間)
  • だって金なきゃさあ、親が人じゃなくなっちゃうもの(西原)
  • 自立のためのポイント。最後はやはりお金ですか(司会) お金、そして、手に職(勝間)
  • 資格だけじゃなくていいんですが、組み合わせでもいいんですけど。(中略)経理だけ、英語だけだと難しいんですけど(勝間)
  • 英語をなぜ勉強するかというと、英語を知っているほうが収入が楽に高くなるからなんですよ(勝間)
  • 20代後半のフリーターになると、10年後はたぶん自殺しているだろうとか、一家心中しているだろうとか、親が死んだら首をつるとか、そういう前提で生きている人がけっこう多いですね(雨宮)
  • でも全体的に、みんな後に後にツケを回していますよね。それは、最後、どんな風に返ってくるのでしょうか(勝間) 私たちの親ぐらいの世代が死んだり病気になったり介護が必要になったりした時に、一斉に野宿者化することが心配されています(雨宮)
  • 勝間和代の日本を変えよう 15の提言(一部抜粋)
    • 家族政策費の対GDP比率を現状の0.7%から1.4%に倍増させましょう。
    • 総労働時間を規制し、ワークシェアリングを導入しましょう。
    • 正規雇用と非正規雇用の均等待遇を実現しましょう。
    • 個人も収入の5%以上を寄付に、5%以上の時間を社会貢献に充てましょう。

感想


いろいろな意味で刺激的な本でした。


特に、西原理恵子との対談は男の視点では絶対見えなさそうな観点からの
発言がばんばん炸裂し、読み応えがありました。
シングルワーキングマザーとして、自立するためのたくましい考えを学べました。
母は強いですね。


また、雨宮処凛との対談では、ワーキングプアの生々しい現実を知ることができました。
対岸の火事だと思っていると、日本全体が痛い目にあいそうです。


最後にはそうした現実を踏まえ、
日本を変えていくための現実的かつ効果的な提言が述べられています。


働く女性、主婦、フリーターなど様々な立場からの話が出ていますが、
そういった当事者以外の人にぜひ読んでもらい、危機感を持ってほしいです。


一番感じたのは、自分でできる範囲でいいので、他人事だと思わず、
日本を生きやすい国にするための行動をしなければいけないということです。
それは、自分自身の幸福感にもつながるはずです。