127.『日本流ファシズムのススメ 』 田原 総一朗 佐藤 優 宮台 真司 ぴあ


日本流ファシズムのススメ (エンジン01選書)日本流ファシズムのススメ (エンジン01選書)
田原 総一朗 佐藤 優 宮台 真司

ぴあ 2009-09-30
売り上げランキング : 74167

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


目次

第1章 オバマファシズム
第2章 金融大恐慌新自由主義
第3章 オバマ大統領就任後の“世界”

参考になったところ

  • 破綻した財政の建て直しと空洞化した社会の建て直しから、小さな政府を主張したんですね。ただし、市場原理主義とは違います。小さな政府にしちゃった部分をカバーするために、大きな社会をつくりましょうと提唱(中略)大きな社会とは、これすなわち、相互扶助によって包摂性がある社会ということです(宮台 元祖新自由主義について)
  • 社会ごとに異なる相互扶助
    • イギリス:ビクトリア朝からの伝統=ノブレス・オブリージュ(貴族による支え)
    • アメリカ:市民宗教
    • イタリア・フランス:サンディカリズム的伝統(労組と学生・老人の連帯)
    • 中国・ユダヤ:血縁ネットワーク的伝統
    • 日本:国土概念的な伝統(同じ土地で生きているもの同士で助け合う)→しかし、現在の日本では崩壊している
  • どうすればいいか。結局は、ある種のファシズムしかないんですよ。価値の埋め込みによる長期的な動員しかない。日本もそれをやるしかありません(宮台)   ということは、日本もファシズム化するしかない? (田原)   ええ。ただそれは「国家を強くする」というようなタイプの、ナチスドイツ的なファシズムではなく、「社会を強くする」というタイプのファシズムです(宮台)   むしろ、ムッソリーニ的? (田原)   そうです。(中略)「政府にできることは限りがあるから、みんなが互いを支えあえる社会をつくろうよ、政府も支援するから」というふうになります(宮台)