【官+民=日本の反撃】32.『ウェブ国産力』 佐々木俊尚 アスキー
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この本を選んだ理由
日本におけるITやウェブ関連の現状を知りたかったから
参考になった箇所
- コモディティ化した分野の選択要因
- 他の商品より価格が安い
- 習慣性
- とっつきやすさ(目立ちやすさ)
- 付加価値
→コモディティ化した分野への新規参入は非常に難しい
- 迷惑メールビジネスが成り立つ理由=損益分岐点が異常なほどに低い(営業コストが低い)
- 検索エンジンの広義=(A)によって(B)を検索する
- このAとBはいまや拡大局面に入ってきている
- 検索エンジンはすべての情報交換を司る唯一無比の仲介人=プラットフォーム
- 若年層がインターネットへアクセスする機器はパソコンからケータイへ急速に移行しつつある
- ライフログ(ひとりの利用者の人生や生活をそのままコンピューター上に転写し、デジタル化してしまおうという考え方)
- 検索エンジンによって得られたデータをマイニングする―こうしたマイニングビジネスの方向性は、きわめて大きな市場となっていく可能性をはらんでいる。
- さまざまな要素をテキストマイニングによって抽出し、分類して因果関係をビジュアライズしていくと、何がどのようにして事故につながっていっているのかが一目でわかるようになってくる(日本航空の取り組んでいる航空事故防止の分野の例)
- (電子ICタグなどで得られた)リアルのセンサーデータを収集・解析し、そしてその分析結果を活用していくという新たな検索システムのモデルは、今後大きな潮流となってくるのは間違いない
- リアルの世界にまで目を向ければ、世の中に存在するさまざまな画像や音声、センサー類などのデータを、うまく解析する要素技術というのは、実は日本のメーカーのお家芸であるわけですよね。そのお家芸と検索・解析技術を結び付けようというのが、情報大航海の目的だと理解しています。
- 日本のITのいびつな構造
- 大企業 →要素技術 →ものづくり
- 大企業 →要素技術 →企業向けサービス
- 中小ベンチャー→要素技術不在→消費者向けサービス
→消費者向けサービスへ移行しているIT・ウェブビジネスの流れに対応できていない
読んで思ったこと
検索エンジンの広義=(A)によって(B)を検索する
この言葉を一つのキーワードに、
著者はさまざまな例を紹介していく。
今まで一般的に考えられていたのは、
「(検索キーワード)によって(ウェブ)を検索する」
だったと思う。
そして、この分野におけるビジネスはグーグルが支配している。
しかし、(A)や(B)に入る言葉は今やそれだけではない。
例えば(A)の中に入る言葉としては、
「検索キーワード」の他に、「個人の趣味・属性」、「ライフログ」などが含まれる。
(B)の中にはリアル世界のさまざまな事象が含まれる。
そこまで検索エンジンの広義が広がったとき、
まだまだ検索されていない余地はたくさんある。
また、その検索されたデータを解析し、活用するという分野もある。
そうしたまだ開かれていないフロンティアにこそ、
日本のITが活路を見出す余地があり、
そこへ至るまでの道のりを政府がバックアップし、
大企業とベンチャーが協力して進んでいくべきだと
佐々木氏は言っているのだと思う。
正直、日本の未来は暗いと思っていたのだけれども、
まだアプローチの手段はあるのだと気づかされただけでも、
この本の価値はある。